十一代三輪休雪（壽雪）



　十一代三輪休雪（後・壽雪　本名節夫・さだお）は明治四十三年、山口県萩市椿東無田原に、
九代雪堂の三男として生まれ、長兄である十代三輪休雪（休和）について萩焼の伝統技法を
修業しました。

　釉薬には「長石釉」を用いた萩焼独特のびわ色と、十代三輪休雪が研究した「休雪白」
と呼ばれる「わら灰釉」を用いたものがありますが、十一代休雪は、伝統の技法の上に、
茶わんの表面がほんのりと紅色にそまる「紅萩手」の色調に独自の新境地を開きました。

改革なくして伝統は守れずと、萩焼に常に時代の息吹を込め、「鬼萩」という独自の技法を
生み出し、十一代三輪休雪の世界を確立してきました。

「鬼萩は自分のライフワーク」と、壽雪を名乗ってからも、自らが切り開いてきた道を追求し続け
平成二十四年、百三歳で亡くなるまで、その姿勢を貫きました。


　　　　　　　　　　　　　　　＜陶歴＞

明治43（1910）年　山口県萩市椿東無田原に萩焼三輪窯九代雪堂の三男に生まれる

昭和16（1941）年　三重県津市千歳山窯で川喜多半泥子に師事し、茶陶を学ぶ

昭和32（1957）年　第4回日本伝統工芸展初入選(同35年日本工芸会正会員)

昭和42（1967）年　十代休雪、隠居（休和）により、十一代三輪休雪を襲名

昭和43（1968）年　中国新聞社｢中国文化賞｣を受賞

昭和45（1970）年　山口県選奨(文化功労)を受ける

昭和47（1972）年　山口県指定無形文化財｢萩焼｣保持者に認定される

昭和51（1976）年　紫綬褒章受章

昭和57（1982）年　勲四等瑞宝章受章

昭和58（1983）年　重要無形文化財の保持者に認定

平成２（1990）年　勲四等旭日小授章受章

平成10（1998）年　「米寿記念　人間国宝三輪休雪展」

平成12（2000）年　「卒寿記念　休雪展」日本橋・横浜・大阪・京都の��島屋４店で開催

平成15（2003）年　家督を長男龍作に譲り、自ら壽雪と号す。

平成18（2006）年　「萩焼の造形美　人間国宝三輪壽雪の世界」を東京国立近代美術館を
　　　　　　　　　皮切りに全国で開催

平成24（2012）年　12月11日死去、12月26日萩市葬


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