熊本 義泰の青磁
Kumamoto Yoshihiro
熊本義泰の青磁の特徴は、深いオリーブグリーン
の美しい釉の色です。
中国宋代の耀州(ようしゅう)窯の青磁を思わせる
翠色に発色したガラス質の釉で
文様の濃く溜まった部分は、
あらゆる色彩を吸い込むような奥の深い
透明感があります。
また作品の表面は淡く優しい瑞々しさが感じられます。
「麦文」や「線文」の
規則的なリズムは
青磁に一層の奥行きと
躍動感を与えています
表面を飾る文様は心地よいリズム感で
見る者を魅了します。
耀州青磁は「片切り彫り」を用いて
釉の濃淡を作りますが
熊本義泰の青磁はさらに、貼付文様に
よって、面と面が織りなす独特の世界を
創り出します。
熊本義泰は、釉薬の厚みによって
色を出すという手法で、釉の中に
丸や三角の細かい気泡を生じさせ
そこに光が入ることによって
気泡の屈折力で色に深みを
与えます。
青磁麦文鉢
2004年 51回日本伝統工芸展
青磁水注
青磁花生